第十一話「なんてったってアイドル」
男は見ていたテレビのチャンネルを変えた。
いきなりけたたましい音楽が流れ、画面では
若い男達が歌いながら踊っている。
今人気のアイドルグループだ。
最近、あちこちの部屋からこの歌が
聞こえてくる。
ぼんやり眺めていると、ふとアイデアが浮かんだ。
「そうだ!我々もアイドルになればいいんだ。
そうすれば、皆に疎まれる事もない。
アイドル犬や猫だっていることだし、これだ!」
思いついたことをカーナに話したが、今ひとつ彼の
反応は鈍く、下を向いて黙っている。
僕は構わず、自分の構想を喋り続ける。
「僕等のグループ名はTUESにしよう。
今日は火曜日だし、僕らは虫だから虫ずデイ!」
乞うご期待!