独り住まい 4

kazurateiutubo2008-12-17

「ほらあー、いつまで寝てるの!」
いきなりの怒鳴り声に飛び起きた。


一体どうしたと言うんだ。
そういえば、綺麗なお姉さんにうっとりした途端
寝てしまったんだっけ?


怒鳴り声の方を見ると、おばさんがご飯を作ってる。
水戸黄門に出て来る、あの人、なんていったけ?
あのおばさんに似ている。
結構、スタイルが良いのだが、喋る事が下町のおばさん調だ。


「ほら!さっさと起きて、朝ごはん食べて!
しっかり食べないと、まーた倒れるよ!」


「おばさん誰?」
「あたしかい?あたしならお銀と呼んどくれ」
水戸黄門、そのまんまじゃないか!


「いつからここへ?」
「そんな事どうでもいいじゃないか。
それよりあんた、若いのに殊勝だって、近所の評判だよ」
何の事だろう。
「ほら、あれ。線香をいつも上げてるじゃないか」
「え?あれ?あれはヒーリングというか、癒しというか、アロマが好きなんですよ」
「何訳わかんない事言ってるんだよー、あんた、卑しいのかい、あろまーダネ。
おかしいねえ、がははは。あたしゃ、あのヒーリングという歌、好きだよ」
お銀さんは、ヒーリン〜♪と唄いながら、ドアから出て行った。
それはフィーリングの間違いだと思うけど。