怪談、50cm婆さん

kazurateiutubo2008-08-28

友達に聞いたこわーい話し


 その友人を仮にトオル君としましょう。
そのトオル君が中学生の時、
夜、寝ようとベッドに横になると良く金縛りになっていた。
金縛りになる時、まず頭の中でウオーン、ウオーンと音が鳴り響く。
それから体が重くなり硬直して動かなくなる。


体を動かそうと躍起になると、音はさらに酷くなり
頭が割れんばかりの大音響になってしまう。
仕方なく心を鎮めながらじっとしていると、徐々に
元に戻るのだった。


 そんな事が何回も続いて、ある日の事。
トオル君は寝る前に煙草を吸おうと窓を開けたところで
唐突に金縛りがやって来た。


 こんな立ったまま金縛りにあう事なんか今まで無かった。
一体どうしたんだとパニックになりながら
ふと開けた窓を見ると、桟の所に白髪の婆さんが立っている。
背丈は50cmぐらい、伸びた白髪、痩けた頬、皺だらけの顔。
絣の着物にモンペ姿ですーと立っている。

足はある。


恨めし気な目付きで僕を見ている。
「えー、なんだーこれは!幽霊かー!取り付かないでくれー!」
声にならない声を上げ、気が遠くなりかけた所で体が楽になった。
窓を見ると婆さんは消えていた。

という話です。
50cmの背丈というのが微妙な面白さです。
実際そこにいたら卒倒してしまうかも知れませんが。
そのトオル君には霊感は無く、どちらかというと鈍感なくらいだそうです。
ただ中学生で煙草を吸うなんて悪い子だったんですねー。


この絵を描いていたら、だんだん背筋が寒くなってきました。