八話 引っ越し

kazurateiutubo2007-10-12



善は急げだ。さっそく計画を実行するため
街へ引っ越す事にする。
何処へ引っ越すか、二人の意見は一致している。
いつかTVで見た綺麗なお姉さんが住んでいるという
アパートに決めていた。


暫く歩いて行くと、後ろから声を掛ける者がいる。
振り返るとカメ虫の連中が勢揃いしていた。
「ヨーヨー、何処いくんだい、面汚しのゴキチャン」
ボスのアカキンカメーラが言うと
「何処へ行く」「何処へ行く」と子分のカメーラ達も復唱する。
「なーに、ちょっとそこまでさ」
そう答えると、アカキンカメーラは
「ワシもこれから、ここの家の洗濯物に隠れる所よ」
「隠れる?」
「そーよ、そのシャツを着た時によ、余りの臭さに
人間共がびっくりするという訳よ。ぐふふふふふふ」
相変わらず陰険な奴等だ。
「面汚しは、お前達だろう」
と言いたいのをぐっと我慢して先を急いだ。