センサー付き音声発生温度計

kazurateiutubo2009-03-18

カオル君が店に来て言う事には
「先日、温度計を割ってしまってさー、割れない温度計を
自分で作ったんだよ」
「スゴイ!」
「しかもだね、センサー付き音声発生温度計なのだよ」
「ほー、それはすごい」
「早速、実演して見せようか」
「センサー付き音声発生温度計ってどんなのだろう、楽しみだなあ、すぐコーヒーたてるよ」

ポットに水を入れ、火をつけると
カオル君はおもむろに人さし指を突き出した。
「何それ?」
「これがその温度計」
「指じゃん、それ」
「ちがーう!センサー付き音声発生温度計!」
「ふーんそうなんだー、やって見せてよ。それにしても長い名前だね」

カオル君はおもむろに沸騰し始めたポットに
指、いや温度計を突っ込んだ。
顔を歪めながら「あっっちー」と叫ぶ。
やっぱりただの指じゃん、と思ってると
突然「沸いたよー!」と大声で叫んだ。
普通の温度計で計ってみると、85℃ピッタリだ。

「すごいね、センサー付き音声発生温度計。二杯目をたてるから
もう一回計ってよ」
そう言うと、彼は人さし指に息を吐きかけながら
「一回使うと中五日開けないといけないんだよ」
と言いながら帰って行った。